第1回 事業を開始してサラリーマンと何が違う
講師:亀山敦志 (これまでの記事)
1、アーティスト、クリエーターとして活動による税金
アーティスト、クリエーターとして独立して個人事業主になると自分で税金を納めなくてはならず、「確定申告」を行うこととなります。
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の収入、経費をまとめて税額を計算して翌年2月16日から3月15日までに申告して、納税をすることです(還付の場合もあります)。
アーティスト、クリエーターとしての活動は、事業所得となり、1年間の収入や経費から所得を計算して税金を納める必要があります。確定申告直前で慌てて計算するのではなく毎月収支を計算することをお勧めします。
税金を計算するために、収入、経費、利益(所得)を把握することは大切ですが、収入や経費の中身、収入と経費の関係を把握することは、これからアーティスト、クリエーターとして継続して活動していくうえで重要になるためです。
確定申告期限ぎりぎりに計算するのではなく、定期的に収入と経費を記録して中身を把握することで節税対策も出来るという話にもなります。また、利益から住民税や国民健康保険、国民年金を支払うこととなり、生活費としていくら使えるのか把握することが大切です。
なお、会社勤めを辞められて独立された方、副業として活動している方の場合ですと確定申告について馴染みがない方も少なくないかと思います。これは会社が、各社員の給料から源泉所得税を預かり、給料を支給しており、12月末ごろに「年末調整」を行い、1年間の給料についての税金を確定させるためです。
副業としてアーティスト、クリエーターの活動をされている方の場合には、事業所得と会社の給与(給与所得)を確定申告する必要があります。
このコラムを通して、会計、税金についてお伝えし、少しでもお役に立てればと思います。
2.会計ソフトを選ぶにあたって
税金を計算するために、収入、経費、利益(所得)を把握することは大切ですが、便利なのが会計ソフトです。エクセルでも集計はできますが、会計ソフトだと計算や集計なども行い確定申告書や決算報告書も作れるので、ミスが減ります。
数多くの会計ソフトが販売されてますが、それぞれに長短があり、使いやすいと思う機能は違うかと思います。まずは、1月無料や1年無料など無料体験版が用意されてますので、使いやすいものを選ぶのが良いかと思います。
他に大切なのはサポート体制です。入力時の不明点や、入力の誤りは必ずでてきます。その際に聞ける人がいることや、回答スピードが重要になってくるかと思います。
最近では、freee(フリー)、MF(マネーフォワード)や弥生会計オンラインなどクラウド型の会計ソフトが増えており、私も数多くの問い合わせを受けております。
クラウド型の会計ソフトの主な特徴には、インストール不要で、預金やカード明細を会計ソフトに自動で取り込めるので、会計入力の手間が省略されることが挙げられます。
freee(フリー)ですと、仕訳や複式簿記という言葉に馴染みがない方でも入力できるので、初めての方には向いているかもしれません。
まずは、無料体験版で使いやすい会計ソフトを選ぶのがよろしいかと思いますので、ご検討ください。
税理士 亀山敦志
亀山敦志(かめやま・あつし) 亀山敦志税理士事務所代表。横浜市青葉区にてクラウド会計freee(フリー)、MF(マネーフォワード)、弥生を中心に税理士として活動する。
起業など会計、税金についてお困りごとがございましたらお気軽にご連絡ください。
●URL:http://www.kameyama-tax.com/
●freee:https://advisors.freee.co.jp/tax_accountants/60770/result
●Mail:お問い合わせ
※一部のご相談・ご質問内容に対して解説記事を公開させて頂きます。
※記事にて公開させていただくのは職業・年齢・性別のみです。