第2回 開業してみよう
講師:亀山敦志 (これまでの記事)
1.開業してみよう
個人事業主として開業したら、最初に開業届を税務署に提出します。
法人は登記しますが、個人事業主は登記することはありません。そのため、融資や補助金・助成金の手続きの際や銀行や取引先などに事業を開始した証明書として開業届が求められることがあります。
開業届を提出する際や、届出書などの書類を税務署へ提出する際には、注意が必要です。それは、控えを自分で用意しないといけないという点です。税務署にて複写式の届出書に記載して提出する場合には控えは返却されるので問題ないです。しかし、国税庁ホームページから届出書をダウンロードした場合などには、記載後にコピーを取り、それをご自身の控えとしていただき税務署受領印をもらってくださいね。
※郵送にて提出する際には、切手を貼った返信用封筒を同封しないと返却がないのでこちらもお忘れなく。
2.個人事業の開業届出書について
個人事業主として開業する場合には、所轄の税務署へ開業から1か月以内に「個人事業の開業届」を提出する必要があります。所轄の税務署とは、住所地を管轄する税務署ですが、ご不明の場合には国税庁のホームページで調べることができます。
そして、「個人事業の開業届」(名称は自治体により変わることがあります。)は、住民税や事業税などの地方税を納めるために、税務署だけでなく、都道府県や市区町村にも提出する必要があります。
例えば亀山敦志税理士事務所が所在する神奈川県横浜市青葉区ですと、税務署は「緑税務署」が所轄となり、神奈川県は「神奈川県緑県税事務所」、横浜市青葉区は「青葉区役所」となり、3箇所へ個人事業の開業届を提出します。
なお、緑税務署に対して神奈川県緑県税事務所と青葉区役所の個人事業の開業届をまとめて提出すると税務署が各自治体に提出してくれます。訪問の手間が省けますので、他の自治体については税務署などへ事前にお問い合わせください。
3.青色申告にチャレンジしてみよう
開業届を提出する際にご一緒に提出していただきたいのが、「青色申告承認申請書」です。多くの書籍やホームページなどで青色申告のメリットが掲載されておりますが、「青色申告承認申請書」を提出することで節税などのメリットを享受できます。この書類を提出しなければ、青色申告のメリットを享受できないので(その場合には、白色申告となります。)必ず提出しましょう。
4.「青色申告承認申請書」の提出期限には要注意
① 新規開業の場合には、開業日から2か月以内に提出しなくてはなりません。期限から1日でも過ぎて提出した場合には、翌年から青色申告者となります。これから開業届を提出される個人事業主の方は、忘れないようご一緒に提出されるのがよろしいかと思います。
② また、前年に開業し「所得税の青色申告承認申請書」を提出していない場合には、青色申告をしようとする年の3月15日までに提出する必要があります。
例えば、平成27年に開業して、「所得税の青色申告承認申請書」を提出していない場合には、平成27年は、青色申告ではなく、白色申告だったかと思います。
そして、平成28年3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出していない場合には平成28年も青色申告ではなく、白色申告となります。
平成29年から青色申告となるためには、平成29年3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出すればよいこととなりますが、忘れるといけないので、お早めに提出してください。
以上が個人事業主の方が税務署などへ開業時に提出しておくべき最低限の書類になります。記載方法で不明な場合には亀山敦志税理士事務所でも無料で対応しますので、お気軽にご連絡ください。
税理士 亀山敦志
亀山敦志(かめやま・あつし) 亀山敦志税理士事務所代表。横浜市青葉区にてクラウド会計freee(フリー)、MF(マネーフォワード)、弥生を中心に税理士として活動する。
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